神話と自然のまち「高原町」
宮崎県の南西部に位置し、霧島連山の主砲「高千穂峰」の麓に広がる「高原町」。この町は日本神話と大変ゆかりが深く、高原(たかはる)の読みは、神々の住む「高天原(たかまがはら)」の何由来すると伝えらえれています。
ニニギノミコトが降り立った「天孫降臨伝説」の故郷として知られ、そのご令孫で我が国の初代天皇・神武天皇は高原町で生誕されたと伝わり、その地とされる「皇子原神社」など、町内には数多くの伝承地があります。
高原町には、そんな神々の住む世界を連想させるような美しい自然環境があり、その中で畜産業や農業を基幹産業とした「農業・畜産業のまち」として発展してきました。
自然との共存は昔となんら変わらない状態で今も続き、肉・野菜・穀物など町を代表する数々の特産品が誕生しています。
高原町の象徴「御池」
高原町を象徴する存在として「高千穂峰」と双璧をなすのが「御池」。同所は日本で最初の国立公園に指定された霧島錦江湾国立公園の一角にある湖で、約4600年前に起こった大噴火の噴火口に水が溜まって形成されました。
湖直径約1㎞、周囲4㎞、水深は103mもあり、わが国の火口湖では最も深いといわれています。
湖にはワカサギ、ニジマス、鯉などの18種類以上の魚類をはじめとする、様々な水棲生物が棲息しています。
また、周囲の原生林は昭和47年に国設の野鳥の森に指定。ヤイロチョウやオオルリ、サンコウチョウなど、これまでに150種類以上の鳥類が確認されています。
このように、御池は数多くの生命が息づいており、この生態系を守ることが、高原町の美しい環境へと繋がっています。
神武天皇ゆかりの地「皇子港」
天孫降臨伝説の故郷とされる高原町には、町のいたるところに神話伝承のスポットが存在しています。
御池もその中のひとつで、言い伝えによると、「皇子港」は、神武天皇が幼少期に水辺で遊んでいたことが、その名の由来になっているとされています。
「奥霧島」のまち
霧島連山は宮崎県と鹿児島県の県境に広がる火山群の総称で、周辺の地域は霧島連山がもたらす自然の恵みを受けながら、共に歩み、そして発展してきました。
高原町もそのひとつで、霧島連山を構成する「高千穂峰」を象徴とし、「奥霧島」という地域名で親しまれてきました。
そんな奥霧島を象徴する「御池」が、いつの時代も町づくりの中心にあり、水・森林・観光などの様々な資源が、この地にすむ全ての生命に必要不可欠なものとなっています。